施設長挨拶・コラム
施設長挨拶
一人一人の利用者に働きかけると、それに応える、利用者の表情や身体の反応があります。お互いが、応えあう存在であることを知ったとき、お互いの「いのちの可能性」に気づきます。どんなに障害が重くても、一人一人の命は輝いていると実感してきました。
命の源の水を生み出す母なる「びわこ」。そこからつながる、重症心身障害の人たちのなかに息づく「いのち」。自然や人は、ひとつのつながりの中で、それぞれの豊かさを、実現してきました。私たちはそんな感覚を大切に仕事をしていきたいと思っています。
ここでは障害のある方の、「病院」の機能と、医療の支えを受けながら生活する「地域生活」の機能を兼ね備えています。約100人のかたがたが、医療の支えを受けながら生活されています。人工呼吸器、気管切開、経管栄養、どんな医療ケアが必要であっても、楽しめる生活の場でありたいと思っています。また、在宅の障害児者の生活を、入院、ショートステイ、通園、相談、外来で支えています。外来では、重症心身障害、脳性麻痺、身体障害、精神発達遅滞、自閉症、AD/HDと障害の種別を超え、すべてのライフサイクルにわたる障害の相談、リハビリ、治療を行っています。
「人工呼吸器をつけて、ベビーカーを押すように颯爽と街にでたい。」と願い、それを実践されようとしたお母さんがおられました。どんなに障害が重くても街の中で「ふつうの生活」ができること、それがこれからの課題です。「在宅」の生活、「施設」での生活、どちらも、周囲との豊かな関係がある「地域生活」である必要があります。「びわこ学園医療福祉センター草津」と名称を改名し、重い障害を持たれた方々に対してさらに生活の選択肢をふやし、地域で誰もが安心してそしてわくわくして生きることができることをめざして私たちは仕事を続けたいと考えています。ご支援のほどよろしくお願いいたします。
最終学歴
主な職歴
昭和61年:京都第二赤十字病院小児科修練医
昭和63年:日野中央(現日野記念)病院 小児科医長
平成3年:国立療養所紫香楽病院小児科医長
平成9年:現職
主な研究領域
・発達障害内科
医療・福祉の実践の中で確かめ勇気づけられてきた「福祉の思想」
口分田施設長記事(2020年7月号) (2020-10-14 ・ 3456KB) 全国重症心身障害児(者)を守る会で発行されている『両親の集い』第742号に口分田施設長が寄稿した「医療・福祉の実践の中で確かめ勇気づけられてきた「福祉の思想」」です。
|
施設長コラム
以下のコンテンツの中から、お好きなコラムをクリックしてお読みください!ご感想をお待ちしております。
2022年11月15日 コロナ感染が継続するなかでの、秋祭りが作り出した心地よい時間とつながり
2021年3月29日 新型コロナ後の生き方を考える(4)心の抗体を育てる
2021年1月21日 年頭の挨拶 その1
2020年12月18日 新型コロナ後の生き方を考える(3)新型コロナ流行の時代に、紅葉のびわこ学園医療福祉センター草津にマグマ"だいし"(大姉)現れる
2020年7月1日 新型コロナ後の生き方を考える (2)地域に不可欠な仕組みとしての「ショートステイ」
2020年6月 新型コロナ後の生き方を考える (1)「離れること」と「離れないこと」
2018年 年頭のご挨拶
2017年 年頭のご挨拶
2014年 びわこ学園創立50周年を迎えて センター草津の状況と個人的な想い
2011年 年頭のご挨拶
2010年 1年を振り返って[1]
- 2008年
- 20.その13 重症心身障害の支援の専門性(1)-わかっている、表現しているという確信-
- 19.その12 利用者をとりまく家族と地域(2)-一人だけの不安にしないために-
- 18.その11 利用者をとりまく家族と地域(1)-支援の中で、ともに育つ家族-
- 2007年
- 17.その10 コミュニケーションと記憶(7)-記録の中にある記憶-
- 16.その9 コミュニケーションと記憶(6)-共感という関係性の中に存在する記憶-
- 15.その8 コミュニケーションと記憶(5)-感じ合うコミュニケーション-
- 14.その7 コミュニケーションと記憶(4)-知識と評価の総動員による働きかけの反応からサインを読み取る-
- 13.その6 コミュニケーションと記憶(3)-バイタイルサインでのコミュニケーション-
- 12.その5 コミュニケーションと記憶(2)-ひたすら観察し、その行動の意味を探る-
- 11.その4 コミュニケーションと記憶(1)-コミュニケーションの際には何が必要か-
- 10.その3 重症心身障害児(者)の、感覚や身体からみた世界を想像する
- 9.その2 身体性へのアプローチを通じて内面感覚の充実へ −生活を支える医療とは−
- 8.重症心身障害の特性に応じた医療・看護・リハビリ・生活支援 その1
- 2006年
- 7.「病気とは回復過程である」という希望の概念 −KOMI理論学習会から−
- 6.公開講座報告 −ナイチンゲール看護−
- 5.公開講座報告 −ストレスマネジメントー
- 4.有限と無限を行き来する施設での対人援助
- 3. 新人職員へ「雨の日も、いい天気の気分で」
- 2.職種の壁を越えてつながる栄養サポートチーム−重症心身障害児の医療・看護・介護−
1.医療の考え方 - 新年にあたって
センター草津TOPページへ戻る